
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#32では、島根県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
島根県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
山陰合同銀行、島根銀行が倒産させた企業は何社?
島根県のトップバンク、山陰合同銀行が域外攻勢を強めている。2025年3月期(単体・平均残高ベース)の個人・法人向け貸出金は4兆9010億円と前年同期比9.3%増。中でも兵庫・大阪向けは1兆2014億円と15.1%伸び、全体の成長をけん引した。
預金残高も5.7%増の5兆9597億円に達したが、鳥取・島根の山陰両県は0.7%の微増にとどまる一方、東京は28.4%増で1兆円の大台を突破。全国103行の「預金増減率ランキング」でも、山陰合同銀行は上位に入った(詳細は『銀行実力番付2025「預金増減率」ランキング!2位は「口座開設者に5万円」で預金殺到の西京銀行、ベスト&ワースト1位は?』参照)。
同行の域外戦略の成否は、地元企業の資金繰りやメインバンク構造にも関わってくる。企業を成長させて生かすのも銀行、危機に陥った際に命運を握るのも銀行だからだ。特にメインバンクが「支えるか、引くか」は、再生か倒産かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
2024年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地方銀行、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、島根県の金融機関を取り上げる。山陰合同銀行、島根銀行のほか、島根中央信用金庫、日本海信用金庫も名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の島根県の結果を確認していこう。