マネジング・ワンセルフは、自らをより公的なマネジメントの実践者として成長させ、より良い組織(健康・健全)をつくることで、より良い社会づくりに貢献するというストーリー性を有しています。このストーリーは、1人ひとりが描く旅程に似ています。そのときに持っているべき地図とコンパスに相当するのが、MSCなのです。

 ドラッカーは、組織は社会の機関であるとしたうえで、マネジメントは「組織の生存と成果を左右する組織の機関である。」(『マネジメント』[上]p.5)とまで述べています。

 機関とは原著では、「organ」(器官)です。私たちの身体にある心臓のような臓器・器官をいうのです。私たちは、チームの一員として仕事をする時、他のチームメンバーとは、信頼、尊重、共感、協力、モチベーションなどからくる一体感や絆を感じることがあります。

 とすれば、人体とマネジメント(MSC)・組織は似たような構造だとしても不思議ではありません。マネジメントに当たる部分は、身体を動かす精神(思惟、価値観、心など)を指すのではないかと思います。健康な心身を持った社員が働く健康な組織は、良い組織の条件といえるのではないでしょうか。