
北京在住の映画制作者グリゴ・ジアさん(36)は10年前、 スターバックス のモカを飲んで1日の仕事を乗り切った。
今の彼女は、パイナップルジュースに注いだアメリカーノ(エスプレッソに湯を加えたコーヒー)や、フランス産バターを混ぜたラテを飲んでいる。
ジアさんは中国のコーヒー戦争に飲み込まれた。
「友達がおいしいと言ったから」パイナップル味のアメリカーノを初めて飲んでみたという。「ちょっとジューシーな味がする」
お茶好きの国がコーヒーのとりこになっている。コーヒーショップは新たな客を獲得するための激しい競争を強いられ、値下げ以外の領域に大きく踏み込んでいる。各店はまた、ローストダックやぶどう、バターの風味を付けたラテなど、ますます奇妙な新しい混ぜ合わせを考え出している。
業界大手のラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)は昨年、6000店舗を新たにオープンした。これはおよそ90分に1店のペースだ。投入した新商品は119種類で、りんごと炭酸入りのアメリカーノ(1杯にりんご1.4個使用)や、一部のバージョンにニュージーランド産高級バターを使った「リトル・バター・ラテ」などがある。

PHOTO: GILLES SABRIE FOR WSJ