首都圏、関西、東海の中学受験ブームは、公立王国の中国・九州地方にも波及しつつある。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#13では、西日本の3都市における中高一貫校の最新動向を分析し、2025年入試の行方を占う。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
岡山は就実と岡山学芸館清秀が健闘
広島で人気の別学校は?
近年の中学受験ブームは、中国・九州地方にも波及しているのか。
日能研関西の森永直樹取締役によれば、「岡山県の2024年の中学志願者数は、ボリュームゾーンが大きい2番手、3番手校では横ばいだった」という。
岡山県の受験状況を見ると、私立中高一貫校で志願者数の減少が目立った。岡山県は公立王国であり、第1志望は公立中高一貫校というケースが多い(岡山・広島・九州の詳細な志願者数のデータは次ページに掲載)。
公立の牙城に私立が割って入る中、最も公立との併願が多いのが就実、2番手が岡山学芸館清秀だ。「この2校は孤軍奮闘している私立といえる」と森永氏は話す。
広島県も昔から公立が強いが、岡山県よりも私立志向は高い。
男子校なら広島学院や修道、女子校ならノートルダム清心や広島女学院といった学校が人気だ。
「広島県は転勤族が多く、教育熱心な家庭は私立を選ぶことも多い」と、森永氏は分析する。
次ページでは、福岡を中心とした九州地区の中学受験の最新動向について分析する。難関私立校の久留米大学附設やラ・サールなど具体的な学校名や入試日程を挙げながら、25年入試のポイントについて解説していく。