3列シートのSUVは古くから存在していて、日本車だとトヨタのランドクルーザー(ランクル)が60から最新モデルまで3列シート仕様を設定していますし、三菱はパジェロに初代から3列シート仕様を設定していました。

1980年に登場したランクル60。ガソリン車のVXに3列シート仕様が用意された1980年に登場したランクル60。ガソリン車のVXに3列シート仕様が用意された(広報写真)

 ほかにも三菱アウトランダーは初代から、日産エクストレイルは3代目から3列シート仕様を設定しています。レクサス RXも2代目に3列シート仕様が追加設定されました。ただ、RXは現行型では3列シート仕様が設定されていません。また、ホンダは2022年まで販売された5代目CR-Vに3列シート仕様が用意されました。

 SUV的な使い方ができるミニバンで有名なのは、三菱のデリカシリーズ。スターワゴン、スペースギア、D:5と、高いオフロード性能と3列シートによる居住性の高さを両立しています。SUV的なミニバンといえば、スバルが2015年に発売したエクシーガクロスオーバー7もありました。

3列シートSUV、なぜ日本であまり普及しない?

 輸入車でも3列目シートを備えるSUVはあるので珍しい存在ではありませんが、これまでなかなか普及しなかったのは3列目の使い勝手にあったと思います。

 ミドルクラスのSUVだと3列目に大人がゆったり座れるスペースを確保するのが難しく、座面や背もたれが薄いシートしか設置できません。大型のSUVならスペースの問題はクリアできますが、ラダーフレーム構造だとフロアが高くなってしまうため、3列目への乗り降りがかなり大変……。