辻:マツダ本体もそうですし、販売会社の方がどんどん買われました。彼らはずっとマツダのクルマを見ていますから、明らかに今までとは違うというのが分かるんです。自分で乗っているのだから、お客様に対する説明だって説得力があるでしょう。しかも後々乗り換える事になると、有り得ないような高値で下取ってくれる。月々3万円のローンで買っていたら、次に乗り換えたら同じ金額で上のグレードが買えてしまう。最初に一番下のグレードを買った人が、2回乗り換えたら一番上のLパッケージになっていた……なんて話はザラにありました。

F:「マツダ地獄」転じて、「マツダわらしべ長者」(笑)。

柴:自分の企画が大当たりして売れまくった、と言うつもりはさらさらありませんが、そういうクルマに関わってきた、ということは事実として申し上げます。

F:CX-5は正にエポックメイキング、と……話を本題のCX-80に戻しましょう(笑)。

ガソリン6気筒、ディーゼル6気筒、プラグインハイブリッドの3種類

F:ラージ車に積まれるパワートレインを教えてください。6気筒だけではありませんよね?

柴:ガソリン6気筒とディーゼルの6気筒があって、ガソリンの4気筒もあります。それにはプラグインハイブリッドを組み合わせています。マイルドハイブリッドはディーゼルの6気筒に組み合わせています。これらをマルチソリューションと呼んでいます。

F:ガソリンの6気筒もある?

柴:あるのですが、日本では出していません。

F:日本で売ったらメチャ受けそうな気がしますが。

柴:どうでしょう。受けるかな……。走りが良くて燃費も圧倒的に良いので、日本では圧倒的にディーゼルが人気なんですよ。ガソリンエンジンの伸びやかさとか、高回転まで気持ち良く回るというのはあるのですが、燃費はやはりディーゼルに敵いません。「付加価値エンジン」という位置付けで、面白いとは思うのですが、正直な話、国内市場で数は見込めないですね。