
映画「マインクラフト/ザ・ムービー」(日本公開4月25日)の世界興行収入が公開2週目で5億5000万ドル(約787億円)を突破し、ビデオゲーム原作映画として歴代2位、2025年のハリウッド映画として最高という公式記録を打ち立てた。
非公式には、これは映画界のミーム時代の到来を告げるものだ。この映画は、ビデオゲーム「マインクラフト」のプレーヤーたち、あるいは少なくともネット文化に親しんでいる人々の間で共有される内輪ネタの数々に後押しされ、ハリウッドがずっと苦戦している課題を克服した。つまり、大量のチケットを売り、若者たちを映画館に呼び込むことができたのだ。
マインクラフトという仮想世界に慣れ親しんだZ世代(1990年代半ばから2010年代初頭に生まれた世代)とアルファ世代(2010年以降に生まれた世代)にとって、この映画は、現実世界で皆と一緒に「チキンジョッキー(ニワトリの上に乗った子どもゾンビ)」と叫ぶきっかけになったものとして記憶されるだろう。
その一人がデービアン・ロドリゲスさん(20)で、彼は13日午後にニュージャージー州シコーカスの映画館で、マインクラフトに登場する「スライム」と同じグリーンの毛布をスーパーヒーローのマント風に羽織っていた。この映画を見るのは2回目で、6人の家族と共に軽食を手に、俳優のジャック・ブラックとジェイソン・モモアが、四角いブタ・ヒツジ・ゾンビがいる世界を駆け回る様子を楽しんだ。
1回目には、もっとワイルドな光景を目の当たりにした。公開初週末の夜、近くの映画館ではポップコーンが飛び交い、観客は登場人物のセリフを叫んでいた。他の観客がソーシャルメディアに上げた動画を見て、そうしたセリフを予習していたからだ。