ようやく順番が回ってきた。滑走路に入る。話す相手はタワーコントロールに変わる。

U-125A: "Naha Tower, ASCOT, holding short of runway, ready for departure."
Tower: "ASCOT Continue, hold short of runway, traffic landing."
U-125A: "Hold short runway, ASCOT."

 混雑した那覇空港で、順番を間違えたら大惨事だ。間違いが起きないよう、コールサインをお互いに何度も繰り返している。

 この後、しばらくしてからようやく離陸の許可が下りた。

いよいよ離陸!

「それでは離陸します」機長が言う。これは機内にいる我々に向けられたものだ。グングン加速する。旅客機とは違う、小型機ならではの強い加速感。機体はあっという間に離陸した(動画参照)。離陸するとただちに旋回。バンク角が大きく、海面がハッキリと見える。

救難地点に向かって飛ぶ

 上空は晴れている。海面がキラキラと美しく光っている。

水面がキラキラと光っている水面がキラキラと光っている Photo:Diamond

 しばらく飛行して、救難地点に到着した。海面にはバスクリンのような蛍光着色料が撒かれている。しばらくするとヘリもやってきた。

バスクリンのような蛍光着色料が海面に撒かれ、発煙筒も焚かれているバスクリンのような蛍光着色料が海面に撒かれ、発煙筒も焚かれている Photo by F.Y.

「今日は両方、着色と発煙の両方を落としていますが、これは状況によって異なります。煙だけの時も、着色だけの時もあります。例えば、航空機の墜落事故の際は、海面に油が浮いている可能性が高い。発煙筒の火で油が燃えてしまう危険性がありますので、その時は着色だけを使います。我々としては可能な限り発煙筒を使いたい。煙は風向きが分かりやすいんです。ヘリがアプローチする際の良い目標になる」とパイロット氏。