救難隊員が泳いで救助に向かう

 降下した隊員は呼吸をするのすら大変なはずだ。普段から厳しいトレーニングを積んでいるのだろう。着水してワイヤーを外した隊員は、この厳しい条件下でもピタリと安定した顔上げクロールで要救助者へ向かってまっすぐ泳いでいく。大変ですよこれは。

UH-60J:現在、模擬要救助者への接触確認中。
U-125A:接触状況視認。周囲の漂流物変化ナシ。他要救助者の兆候ナシ。旋回軌道維持中。

 U-125Aは低い高度でグルグルとヘリの上空を旋回している。実際の救難活動さながらの緊張感。まさしく「命がけ」の任務だ。見ているだけでも心拍数が上がってくる。

ヘリコプターからワイヤーで降りる救助隊員ヘリコプターからワイヤーで降りる救助隊員が見えるだろうか Photo:Diamond
旋回している間は、窓から翼がよく見える 旋回している間は、U-125Aの窓から翼がよく見える Photo:Diamond

「今日はかなり低空で、しかもかなりのバンクを取って飛んでいますが、夜間だとこうはいきません。もっと高い高度で、バンク角もここまで大きく取りません。今日は天候がいいので、救助訓練を行うには最高の条件です。また、この機体はオートパイロットの機能がとてもしっかりしています。いまは手動で飛ばしていますが、オーパイに飛行パターンを入力すると自動的に飛んでくれる機能があるんです。自動で飛べばパイロットが探す方に集中できるでしょう。非常に有効なんです」(パイロット氏)