候補者の志望度が下がる面接を避けるには、
採用担当者と部門面接官の連携が重要
次に、面接によって、企業の志望度が下がった体験について見てみましょう。最も多かった回答は「エンジニアに対する理解がない面接官だった」で、43%の人が志望度低下に繋がったと回答しています。次いで多かったのは「会社や仕事内容の説明がなく、質問ばかりされた」(31%)、「事前に自分の経歴書を読んできておらず、書いてあることばかり聞かれた」(30%)、「キャリアアップのイメージが持てなかった」(23%)となっています。
これは、技術的な専門性を持つ候補者にとって、面接官に自身のスキルや業務内容が理解されないことが、企業への魅力を大きく損なう要因であることを示しています。仕事内容の丁寧な説明、事前の準備を踏まえた質の高い対話、そして、将来のキャリアパスをイメージさせることが重要です。
しかし、面接が専門の業務ではなく、本職が忙しい部門面接官に面接時間の組み立てや十分な準備を求めても、対応してもらうことは難しいですし、エンジニアバックグラウンドがない採用担当者に技術的な話題でのやりとりを期待することは難しいです。そこで、採用担当者と部門面接官の連携が重要になります。エンジニア経験がある部門側の面接官に技術的なディスカッションや見極めは任せて、採用担当者は企業の魅力や情報を伝えたり、面接の雰囲気づくりに注力します。会社のビジョン、働く環境、キャリアパスなどを分かりやすく説明し、話しやすい雰囲気づくりと傾聴を心がけ、候補者の話を丁寧に聞き、疑問や不安に寄り添いましょう。
面接前の事前準備についても、連携が重要です。著者は、忙しい部門面接官が面接前に素早く候補者情報をキャッチアップできるように、これまでの選考評価、経歴のサマリー、採用担当者側で評価しているポイントや懸念点をまとめて渡すようにしています。採用担当と部門が連携することで、結果的に候補者の面接体験をより良くすることができます。