面接は「生の声」の宝庫!
採用広報をアップデートするチャンス!

 ここまで、面接体験のアンケート結果をお伝えしてきましたが、採用活動において、候補者と直接対話する面接は、単なる選考の場ではありません。面接は、企業の魅力や課題、そして、候補者が本当に求めているものを深く理解するための貴重な情報源となります。面接で得られた「生の声」を積極的に採用広報に活かすことで、よりターゲットに響く、共感を得られる「採用広報のコンテンツ」を生み出すことができます。

 面接で頻繁に聞かれる質問は、候補者が抱える疑問や不安の表れです。「入社後のキャリアパスは?」「チームの雰囲気は?」「必要な技術は?」「この開発が終わったらどうなるの?」といった質問とその回答をFAQとして採用サイトや説明会資料に掲載することで、応募者の不安を事前に解消し、応募へのハードルを下げることができます。そして、面接官のリアルな回答を盛り込むことで、より信頼性の高い情報発信に繋がります。また、面接での会話をヒントに、多様なバックグラウンドを持つ社員へのインタビューを実施し、仕事のやりがい、苦労、成長、会社のカルチャーなどを具体的に語ってもらうのもよいでしょう。飾らない言葉で語られる「リアルな仕事」は、求職者の共感を呼び、入社後のイメージを具体的に描かせることができます。

 それから、面接で候補者から指摘された課題や改善点は、耳の痛い情報かもしれませんが、真摯に受け止めて採用広報に活かすことも重要です。例えば、「技術研修が十分ではないと感じました」という意見があれば、現状の課題と今後の改善策を正直に伝えることで、企業の透明性を示すことができます。課題を認識し、改善に向けて努力すれば、候補者の共感と信頼を得ることができます。

 このように面接で得られる情報は、企業の魅力を再発見し、採用広報をより効果的なものへと進化させるための貴重なヒントに満ちています。選考活動と広報活動を連携させて、「生の声」を積極的に発信することで、より多くの共感を呼び、優秀な人材の獲得に繋げることができます。

 情報発信については、昨今は従来の「SEO対策」だけでは不十分で、AIO(AIOptimization)、すなわちAI検索を意識した対策が求められます。特にITエンジニア・DX人材はChatGPTなどの生成AIを積極的に活用している層であるため、この点は重要です。AIOはまだまだ新しい分野につき、対応策が確立されていないキャッチアップ期ですが、現時点でもできることはたくさんあります。これについては、また別の機会に詳しくお話しできればと思いますが、まずは自社の情報を検索してみて、どんな情報が得られるかを調べてみるのはいかがでしょう。候補者から自社がどのように見えているかを、知ることができます。