オフィスで仕事をする女性写真はイメージです Photo:PIXTA

メールは仕事の関係者との重要なコミュニケーションツールの一つです。うまく活用して、信頼関係の構築に役立てたいもの。「感じがいい」「気が利く」と思われる人は、日ごろのメールでどんな工夫をしているのでしょうか。『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』(日本実業出版社)の著者、亀井ゆかりさんが具体例を交えて解説します。(手紙コンサルタント 亀井ゆかり)

マニュアル通りにならない
メールの書き方のコツ

「本日、おかげさまで無事、着荷完了いたしました」
「皆様のご協力がなければ成り立たない過密なスケジュールでしたが、本日おかげさまで無事、着荷完了いたしました」

 上記のビジネスメールは、どちらも簡潔で形式的にも間違いのない作業完了報告メールです。

 状況にもよりますので、一概にどちらがいいとは言えませんが、「感じがいい」と思うのはどちらでしょうか。

 仕事の関係者に「あの人は、感じがいい人だ」と認知されることは、よりスムーズに仕事を進めたり、人間関係を円滑にしたりすることにプラスの影響をもたらします。中でもビジネスメールは、良い関係性を構築する上で大変有効な手段です。

 よいビジネスメールとは、きちんとしたマナー・形式をはずさないにもかかわらず、相手が「語りかけられている」と感じるメールのことです。自然と内容が頭に入ってくる心地よさは、難解な言い回しや貼り付けられた定型文になりがちな日常メールの中で、格別です。

 受け取った相手は、「そんなメールを書ける人が、仕事ができないはずがない」という印象を抱くことでしょう。

 ビジネスメールには、誰もが使えそうな定型文があります。それが悪いわけではありませんが、使い回し感は否めません。

 そこに「相手目線」を重視し、ひと工夫された言葉や文を挿入することで、読み手はマニュアル通りの応対ではなく、自分たち個々の事情に寄り添ってくれているように感じるのです。

 では、「感じのいいメール」を書ける人は、具体的にどのような工夫をしているのでしょうか。