さらに、グループ会社である大和急送(埼玉県和光市)を通じた「他人物配送」を本格的に開始し、収益力の強化につなげる。カクヤスグループは現在、完全自社物流による配送体制を構築し、東京23区で酒類を中心とした商品の即配や1時間枠での配達によるラストワンマイル物流を展開。M&Aによる物流機能の強化として昨年、大和急送をグループ化し、同社に社内物流機能を承継している。
多品種を取り扱う地域特化型の物流構築
札幌、仙台、名古屋、広島への進出を検討
今後は配送拠点の30%程度の配送余力を最大限に活用し、従来の配送センターからのルート配達や小型出荷倉庫からのクイックデリバリーに加え、東京・平和島の物流センターを増床したうえで、メーカーや卸から預かった荷物をカクヤス店舗や顧客の元に配送する体制を構築する。前垣内社長は「将来的には他社が真似できない、多品種を取り扱う地域特化型の物流構築を達成していく」と語った。
既存事業の成長戦略については、開発アプリやWeb注文サイトの改善による注文獲得力の向上や、DX推進による配達及び本部業務の効率化、コスト削減を図る。
また、札幌や仙台、名古屋、広島といった未進出の政令指定都市への進出を検討するなど、事業エリアの拡張・拡大を推進。3カ年の設備投資額は35億円とし、その多くをシステム投資に充てていく。中計の連結数値目標として、28年3月期の業績では売上高1700億円。営業利益40億円を目指す。
なお、今回の事業再編に伴い、カクヤスグループは7月1日付で社名を「ひとまいる」に変更する。その由来について佐藤会長は「ラストワンマイルの担う役割を果たすこと、常にお客さまの期待に応えたいという想いを持ってお届けに『参ります』という意味合いを込めた」と説明した。