
ヤマトホールディングスの業績に改善傾向が出てきた。5月1日に発表した2025年3月期連結業績は、上期の赤字影響から大幅な営業減益での着地となったが、下期だけで見ると増収増益に転換。宅配便の数量増加やラストマイル領域での生産性向上、間接コストのコントロール強化が収益改善に寄与した。26年3月期は、引き続きプライシングの適正化などに注力することで、営業利益を前期比約2.8倍の400億円に引き上げる。(カーゴニュース編集部)
ヤマトHD営業利益が64.5%減
ヤマトホールディングスの25年3月期の通期連結業績は、売上高が前期比0.2%増の1兆7626億円、営業利益が64.5%減の142億円、経常利益が51.6%減の195億円となり、営業赤字を計上した上期業績の影響から大幅な減益となった。当期純利益は投資有価証券や本社ビルを含めた不動産の売却益で0.8%増の379億円だった。
昨年下期から業績は改善傾向にあるが…
一方、下期のみの業績では、売上高は3.4%増の9222億円、営業利益は5.4%増の292億円と増収増益に転換。昨年12月にグループ化したナカノ商会の業績が寄与し、CL(コントラクト・ロジスティクス)事業やグローバル事業が伸長したほか、宅配便の数量増加が日本郵便への委託により収入減となった投函分野の落ち込みをカバーした。ラストマイル領域でのコスト削減や間接コストのコントロール強化も下期で効果が出始め、利益を押し上げた。