結論「行ってもいいんじゃない。知らんけど」

 フジテレビへの入社は、かつてのように「安定」や「名声」を保証するものではない。しかし、映像という言語を通じて社会と交わりたい、自らの手で変化を生み出したいという人にとっては、いまだ挑戦の価値がある場所だ。

 もちろん、挑戦しなければ沈む船に取り残されるリスクもある。グループ再編や事業売却といった不確実性も含め、すべてが見通せるわけではない。

 だが、キャリアにおいても産業においても、何が正解かは誰にもわからない時代だ。特にAIの急速な進展で世界はまったく新しい時代に入りつつある。

 数年前まで最も将来性があるとされたコンピューターサイエンス専攻の学部の卒業生が、いまやアメリカでは仕事が見つからない状況に陥っていると聞く。長足の進歩を遂げ、さらに爆発的に進化し続けているAIがコーディングやデータ分析をたちどころにやってのける現在、標準レベルのプログラミングやデータ分析の能力は無用の長物になってしまったというのだ。

 しかし、だからこそ、もし今やりたいことがあるなら、その世界に飛び込み、業界が変わっていくその只中に身を置くのは悪くない選択ではないか。しかも、否応なく変革を強いられている現場ならなおさら良い。

 最初の問いに対して私はこう答えたい。

「本気で映像で世界と勝負したいなら、行ってみればいい。知らんけど(関西風)」