相対的であれ、安全な環境に身を置くことができたら、次に身体のケアを徹底的に行います。
養育者が赤ちゃんや小さな子どものケアをするように、「ヘルシーさん」が自分の身体のケアをせっせとするのです。ここでは「せっせとする」というのがポイントです。
まずは身体を整える
心のケアはそのあとに
身体のケアは「待ったなし」です。

なぜ先に「身体のケア」なのでしょうか。私は「心理職」という心のケアの専門家で、心のケアの大前提に身体のケアがあります。身体がケアされていなければ、心はケアされようがありません。
というか、身体がケアされることそれ自体が心のケアに直結します。大災害が起きたときに、住民にどのような支援が必要かを考えれば、それは明らかでしょう。まずは避難所を設置して、住民にそこ(相対的に安全な場所)に移ってもらいます。
次に重要なのは、その避難所で身体をゆっくり休めたり、栄養のある食事をとったり、安心してトイレやシャワーを使ったりできるようになることです。そうやって身体がきちんとケアされるようになった段階で、心のケアが始まります。災害時の支援は、必ずそういう順番(避難所→身体のケア→心のケア)になっています。
そういうわけで、自分にやさしい生き方をするうえでも、やはりこの順番を守る必要があります。