退職は不本意だったが
それでも安全を選んだ
そこで次に私は会社の上層部にこの件を訴えることにしました。ハラスメントの件を伝え、その女性トップを替えて欲しいこと、替えてもらえなければ自分が辞めようと思っていることを伝えました。要するにサポートネットワークをとことん活用しようとしたのです。
しかし残念ながら、会社の決定は、その女性トップは替えないというものでした。そういうわけで最終的には、私は安全でないその会社から離れる決意をして退社しました。それは「安定した収入がある職場環境」を失うというリスクのあるものでしたが、それでもなお、「安全ではない職場環境」から離れるほうが、自分のためになると判断したからです。
その後、数カ月して私は自分で起業することにし、今運営しているカウンセリング機関を開設し、今に至ります。
おそらくあのままあの会社に居続けて、彼女からのハラスメントを受け続けていたら、私の心身の健康は大幅に損なわれたことでしょう。辞める頃には緊張性の頭痛やネガティブなぐるぐる思考にすでに悩まされていました。
自分が会社を辞めなければならなくなったことは大変不本意ではありましたが、安全ではない、すなわち危険な環境から自分の身を離す、という意味では、「自分にやさしくする」ことができたのではないかと考えています。
SNSがしんどいときは
無理せず距離をとっていい
もう1つ、私自身の話を。
私は、SNSはツイッター(現Ⅹ)とフェイスブックを日常的に使っています。SNSを使っている人はご存じだと思いますが、SNSでの人との交流は諸刃の剣で、よいこともあればそれと同じぐらい嫌なこともあったりします。
SNSでつながった人たちとの交流は私にとっては非常に大切で、その人たちは私にとって重要なサポート資源(編集部注/ソーシャルサポートを私たちに与えてくれる存在。「道具的サポート」、「情報的サポート」、「心理的(情緒的)サポート」の3つがある)です。
一方で、私が何か発信したことが誰かを傷つけたり、誰かの怒りを買ってしまったりすることもときにあります。私が誰かを傷つけたことを指摘され、自分の落ち度を認めたときは、率直に謝ります。