利益を最大化したければ
投資金額を増額せよ

 利益を最大化したいのであれば、下手な金融商品を購入するより、とにかく多くのお金を投資するのがお勧めです。金融用語で言うところの「攻めのポートフォリオ」です。

 例えば、生活防衛資金の100万円の他に投資可能な現金を4900万円持っている人が、新NISAで1800万円を株式投資で使い切り、さらに、残りの3100万円も株式投資をするというのは、相当リスクを取った形です。何しろ、リスク資産比率(リスクにさらされた資産の全金融資産に占める割合)が4900万円/5000万円=98%という状態です。

 統計的に、日本の家計の金融資産は50%強が現金で、株式投資はせいぜい10%、投資信託は5%にも満たないのが実態です。投資先進国であるアメリカでさえ、株式と投資信託の合計が50%程度であることからすると、自分の金融資産のうち98%を株式投資しているというのは相当リスクを取っています。

 実を言うと、日本よりアメリカ、そしてヨーロッパの方が富裕層の増加ペースが速いのは、日本人が金融資産をリスクにさらしていないのが1つの要因です。2016年までの約20年間、リスク資産が多かったアメリカが金融資産を3.3倍にした一方で、日本は1.5倍と半分以下です。

図1同書より転載 拡大画像表示

自分のリスク許容度を
把握しておこう

 リスク資産の比率を増やすことで、資産の伸び率を高められるというのは各国比較からも理解できると思います。

 ちなみに私は、全金融資産のうち8割以上がリスク資産で占められている状態です。このような投資スタイルで、約20年で資産2億円を達成しました。

 ただ、これは長年にわたる投資期間の中で、自分のリスク許容度がそれなりに高い(資産価値の増減に耐えられる)ことを認識しているからできたことで、万人が耐えられるとは考えていません。何しろ、世界の株式指数が1日でたった数%下がっただけで、数百万円の評価損になるわけですから。