繰り返しになりますが、時間をかけて資産形成をする上での敵は、自分自身の心です。これは精神論ではなく本当の話です。

 2008年のリーマン・ショックの頃には「もう株式投資は終わりだ」なんていう終末思想が流行ったものですが、数年経ったら元の水準に戻り、今では当時の何倍もの株価水準になっています。

 2020年のコロナ・ショックの時も、たった数週間で数十%も株式指数が減少しましたが、こちらは2、3カ月もしたら、元の水準に戻っていました。その後、今に至るまで株価が上がり続けているのはご存じの通りです。

 要するに、急激に資産価値が減少しても、長期的に見ればちゃんと回復しているわけです。

“普通の投資家”なら
暴落時には何もしないのが正解

 個別の株式に投資をしていて、投資先の企業が倒産するかもしれないということであれば株式を売却したほうがいいでしょうが、インデックス型で分散投資している限り、投資資産がゼロになるなんていうことはありません。多少下がることはあるにせよ、いずれ経済が回復することを見込んで、株価指数は回復するものです。

 だから、私を含めた多くの普通の投資家は、暴落時には、慌てて投資資産を売却するのではなく、“何もしない”というのが正解です。そもそも、生活防衛資金を除いた余裕資金だけを投資していれば、暴落したからといって売却する必要はないはずです。

 あまりに株価の増減が気になって日々の仕事も手に付かないようなら、そもそもリスクを取りすぎている可能性があります。資産配分で、原則、元本割れをすることがない日本国債の比率を高めるのがお勧めです。

 ただ、目標金額が自分の中にしっかりあって、リスクを取ってもいいと思っているのであれば、多少の資産価値の増減は気にしないのがお勧めです。

 私の場合は「ケーキと紅茶」が定番ですが、リラックスできることなら何でも大丈夫です。人によっては、ヨガでも、一人カラオケでも、友達とのおしゃべりやスポーツもいいかもしれません。

 自分のお気に入りのリラックス方法を編み出して、長期投資を成功させましょう!