実際、隙のない美しい「完璧収納」を使いこなしている方はいらっしゃいます。
その方達は、例えば、きれいに収納することが楽しくて、たくさんの時間や労力を使える状態だったり、所有する物が少なく、収納に戻す回数が少なかったりと、元々の仕組みが違う場合が多いんです。
収納が趣味の方なんかは、負担がかかる難易度の高い美しい収納を維持するのは簡単なのですが、片づけの苦手な方達は、他にもやりたいことが色々あったりして、片づけにそこまで時間を使いたくなかったりもしますよね。
そんな方が収納が趣味という方と同じ収納方法にするのは、難しいものなんです。
でも、世の中は美しい収納の情報で溢れています。私も収納の本やネットには何度も写真を掲載していただいたことがあるのですが、本には使いやすい収納より、美しい収納ばかりが掲載されがちなんですよね。

私は使用頻度の高い物は片づける回数が増えるので、見た目を最優先にしない収納、使用頻度の低い物や、リビングの目立つ場所には、見た目に配慮した収納を作っているんですが、雑誌社さんから依頼を受けて、いくつか写真をお渡ししても見た目にきれいな収納しか掲載されません。
きれいな収納を見てる方が、みなさんテンションが上がるだろうし、本を売るビジネスとしてはそれも当たり前のことなのかもしれませんね。でも、そういった情報を見て世の中の人の多くは「きれいな収納」が「ゴール」だと思ってしまっているんですよね。
だから、そう信じる人がまた増えるという仕組みがあるんだろうと思います。
でも、残念に思わないでくださいね。見た目がきれいな収納を作ってはいけないわけではありません。
片づけの習慣が身についてきたら、難しい収納方法にもトライできたり、しょっちゅう使わないような使用頻度の低い物には、見た目を最優先にした収納を使ったりすることもできるようになります。
自分のレベルや物に合わせて、収納方法を考えていく力を養いましょう。
「美しい収納は戻しやすい収納じゃない。欲張らず、まずは戻しやすさを優先で」収納を考えることを覚えておいてください。