今一瞬だけやる気のある自分を信用しない
――なるほど。あえて自分を誰かの監視下にあえて置いたわけですね。
びーやま:そうです。
もちろん、モチベーションで勉強をするのは悪いことではありません。やる気を出して勉強することで効率も上がりますし、やっていても楽しいでしょう。それ自体は否定しません。なので、モチベーションが上がる日はいいんです。
でも、翌日にはすっかり別人のようになってしまうケースは少ないないと僕は思います。要するに続かないんです。
よくあるのが、志望校のオープンキャンパスに行った日や翌日はものすごく勉強するのに、1週間も経てばなにもできなくなっているというケース。これでは意味がないでよね。
モチベーションはガソリンみたいなもので、走るには供給し続けないといけないんですよね。それが無限に供給されるものであればいいですが、そんなものはほとんどありません。
これがモチベーションの怖いところです。今一瞬だけやる気のある自分を信用してはいけません。
なので、勉強に関してはなるべく「やる気」に依存せず、半ば嫌々の状況でも手は動く環境をつくっておくのが大事です。
――夏休みは大事と言いますが、「すでに間に合わない」と考える人も多いように思うのですが、そのあたりはどうですか?
びーやま:本人次第です。
僕自身のエピソードが参考になるかわかりませんが、自分でも驚いた話があります。
僕は浪人した最初の1週間目に、新しく入った予備校の先生から「英単語帳1冊と英文法問題集の半分を1週間で覚える」という課題を出されました。
今考えてもとんでもない量ですが、当時は死にものぐるいだったので、僕はそれをやりきりました。
本当に大変でしたが、終わったあとに感じたのは、現役時の1年間より、浪人をスタートした1週間のほうが濃い勉強ができたということです。単語も覚えたので当然成績も急激に伸びました。
1週間でやりきったときには「君は早慶受かるよ」とも塾で言われたのを今でも鮮明に覚えています。
このように人間は短い時間でも変わります。ましてや受験生の頭は柔らかいわけで逆転なんかいくらでも可能です。僕のように1週間で結果を出すくらいの気持ちで頑張ってほしいです。
――励みになるエピソードですね。
びーやま:夏ならまだまだ志望校合格は諦める段階ではありません。ここがチャンスだと思ってしっかりと取り組んでほしいと思います。
月並みですが1日1日を大事にすれば大丈夫です。受験の本質はいつの時代も「積み重ね」です。
――ありがとうございます。大変勉強になりました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。