
ビジネスパーソンが体の不調を未然に防ぐことに役立つ「予防メシ」を紹介する連載。第10回は「熱中症」を取り上げます。今年の夏も、猛烈な暑さが予想されています。YouTubeチャンネル登録者数64万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに、栄養学の知識に基づいた「最強の熱中症予防ドリンク」のつくり方を教えてもらいました。(文/関口絢子)
今年の熱中症搬送者数は
去年比で63%増!
「自分は体力があるから大丈夫」「日中は外出しないから安心」――そう思っているとしたら、それは大変危険な認識です。熱中症は、老若男女問わず、誰もが陥る可能性のある身近な危険なのです。
総務省の統計資料によると、2024年5月1日から7月6日までの熱中症による救急搬送者数は1万7275人(確定値)でした。これに対し、2025年の同時期にはなんと2万8181人(速報値)と、昨年より63%も増加しています。この数字は、私たちの予想をはるかに上回るペースで熱中症患者が増えている現実を突きつけています。
さらに注目すべきは、熱中症が発生する場所です。熱中症と聞くと、屋外での激しい運動や作業をイメージしがちですが、同資料で報告されている発生場所として、最も多かったのが「住宅」で約39%、次いで「道路」がおよそ20%でした。つまり、熱中症は屋外だけの問題ではなく、私たちの最も身近な場所である「自宅」での対策が非常に重要であることがわかります。日中、エアコンをつけずに過ごしたり、夜間に熱帯夜で寝苦しい環境にいたりするだけでも、熱中症のリスクは高まるのです。