相手にとっての特別な日は
関係を深めるチャンスになる
特に活かしたいのは、誰にでも必ず訪れる誕生日。1年に1回お相手とコミュニケーションが図れる、またとない機会です。
あれは10年ほど前、作家のNさんにインタビューした時のことでした。当日の会話で誕生日が近いことを知った僕は後日、取材のお礼もかねて何かお贈りしたいと考えました。しかし、事前リサーチや当日のやりとりからは、残念ながらこれぞという品を探り当てることができませんでした。
そこで、追加リサーチです。僕は彼の秘書の方にご連絡し、インタビューのお礼を述べるとともに「ご迷惑でなければNさんに誕生日プレゼントをお贈りしたいのですが、ご相談にのっていただくことは可能でしょうか」と、ざっくばらんにうかがいました。
すると彼の好物は桃、しかも「来週○日が誕生日なのでそのタイミングで贈っていただけたら喜ぶと思います。当日のAMの時間指定でお送りいただければNが直接受け取れると思います」と何ともありがたいアドバイスまでいただけたのです(インタビュー時は具体的な日にちまではうかがっていませんでした)。
プレゼント後、Nさんから「ありがとうございます。早川さんの会社の方角を拝みながら食べています(笑)」とうれしいメッセージをいただいたことを覚えています。ありがたいことに彼には、その後も公私ともにお世話になっています。
この時は、秘書の方のおかげでピンポイントの品をお贈りすることができましたが、肝要なのはプレゼントを贈ることではありません。お相手によってはモノを贈られることがご負担になる場合もありますし、郵送ですと、受け取りの時間調整でストレスをかけてしまうこともあります。
心に留めていただきたいのは、特別な日という機会を生かして、お相手に喜んでいただけたらと想いを馳せること。そして実際に何らかのコミュニケーションを図ること。
それを定期的に繰り返すことが、縁を紡ぐことにつながります。そうした意味で、年末年始も年賀状やメッセージをお送りする貴重なタイミングになると思っています。