
かつて一世を風靡したあの村上ファンドが、今再び企業を食い物にしている。ゼネコンや地銀を次々とターゲットにし、会社組織をかき乱した末に売り抜ける。その標的となる企業には、ある共通の特徴があった。あなたの会社は、大丈夫だろうか?※本稿は、鈴木賢一郎『株式投資の基本はアクティビストに学べ プロの投資に便乗する「コバンザメ投資」の始め方・儲け方』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
「旧村上ファンド」と呼ばれる
会社名をしっかりチェック
数あるアクティビスト(編集部注/物言う株主のこと)のなかから有名なものをいくつかピックアップし、アクティビストの行動原理をより具体的に紹介していきます。
十把一絡げに「アクティビスト」と総称されがちですが、その投資スタイルはそれぞれに特徴があります。最初に取り上げるのは、「旧村上ファンド」です。
村上ファンドと言えば、2000年代に日本の上場会社が初めて直面した元祖和製アクティビストとして有名ですが、あの一世を風靡した村上ファンドはもうありません。
村上ファンドを運営していた村上世彰氏が2006年にニッポン放送株をめぐるインサイダー取引事件で逮捕されたため、村上ファンドは保有する株式を処分し、解散しました。
ただしその後、村上氏は日本の株式市場に復活。現在は、村上世彰氏のほか、長女である野村絢氏や、オリックスで投資業務に関わっていたとされる福島啓修氏らが率いる投資会社を通じて、さまざまな日本株に投資しています。
村上氏や関係者が自身らのことを村上ファンドと呼んでいたわけではなく、現在も旧村上ファンドと称しているわけではありませんが、一般には、村上氏らが関わっているファンドのことを「旧村上ファンド」「旧村上ファンド系投資グループ」などと呼んでいます。