かつての村上ファンドを構成していたのは株式会社M&Aコンサルティング、株式会社MACアセットマネジメント、株式会社エム・エー・シーなどでしたが、現在の旧村上ファンドを構成する会社はもっとたくさんあります。

 旧村上ファンドが提出する大量保有報告書に登場する会社や個人は、「野村絢」「株式会社シティインデックスイレブンス」「株式会社南青山不動産」「株式会社エスグラントコーポレーション」「株式会社レノ」「株式会社オフィスサポート」「株式会社C&Iホールディングス」「株式会社ATRA」「株式会社シティインデックスサード」「株式会社フォルティス」などです。

 これらの会社の株式を村上世彰氏が直接・間接的に所有しているもようですが、詳細はわかりません。

 また、村上氏はずいぶん前には大量保有報告書に名前を連ねることもありましたが、最近は登場しません。そして、現在の旧村上ファンドの運用資金は、基本的に村上世彰氏らの個人資金であると言われています。

片持ち株を大量に抱えたゼネコンが
旧村上ファンドの標的になった

 旧村上ファンドは、西松建設だけでなく、大豊建設、三井住友建設など、数多くのゼネコン株への投資を行ってきました。

 実は、旧村上ファンドだけではなく、他のアクティビストもゼネコン業界をターゲットにしているのですが、ゼネコンが狙われた理由を考えると、「アクティビストは上場会社の安定株主比率のほか、現預金や有価証券の保有状況などをよく見ているのだな」ということがわかります。

 図表12は、主なゼネコン各社の株主構成と、保有している有価証券の状況をまとめたものです(図表12中の有価証券は有価証券報告書の「株式の保有状況」に記載されている「非上場株式以外の株式」の「銘柄数」と「貸借対照表計上額の合計額」)。

図表:主なゼネコンの株主構成と有価証券の保有状況同書より転載
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