ランキング2~5位の
路線の状況は
2位は埼京線(板橋→池袋間)の163%だ。コロナ前から首都圏屈指の混雑路線であり2019年度は6位だったが、2020年度以降も4位、3位、2位、3位と推移している。輸送量は2019年度比で11.7%減。2021年度以降は3.9%増、13.3%増、7.6%増となったが、2024年度は1.6%増に落ち着いた。
3位はコロナ後に急上昇した日比谷線(三ノ輪→入谷間)だ。2019年度は158%で33位だったが、2024年度は3位の163%だ。2020年度以降、28位、7位、10位と順位を上げ、昨年度は2位だった。日比谷線の輸送力は2020年以降の車両大型化(20m7両編成化)で2019年度比2.7%増加しているが、輸送量が5.8%増で上回ったため混雑率は悪化した。
4位は中央線快速(中野→新宿間)の161%だ。2019年度の8位から、2020年度は17位、2021年度は14位に落ち込んだが、2022年度以降は7位、4位、4位となり、上位10路線に回帰した。ただし、中央線は調査後の2024年10月以降、普通列車グリーン車2両を増結して編成定員が180人増加したため、輸送力が一定と仮定すると混雑率は143%に低下する。
5位の京浜東北線南行(川口→赤羽間)156%からは図の通り、14位の151%まで僅差で並んでいる。冒頭で記した通り、測定精度の差異をふまえると誤差の範囲と見たほうがよいだろう。その中で特筆すべきは13位の南北線だ。
南北線(駒込→本駒込間)は2019年度比で輸送量が8.2%増加しているが、輸送力はそれを上回る13.4%増加したため、混雑率は159%から152%に低下している。輸送力の増加は2020年のラッシュ時間帯増発(6%増)、また2023年の一部8両編成化による定員増加(7%)によるものだ。
利用増の要因として2023年3月に開業し、相互直通運転を開始した相鉄・東急新横浜線の影響が考えられるが、同じく相互直通運転を行う都営三田線(西巣鴨→巣鴨間)の2024年度輸送量は2019年度比3.9%増であり、開きがある。後述するように、首都圏の北方面・北東方面の通勤需要が根強いことが背景にあるのではないか。