より細かく見るために、都心から放射する路線を6つの方面に分けたのが、次の2つの表だ。オレンジ(上位)、青(下位)のセルは、それぞれ1~10位が濃い色、11~20位が薄い色で示している。さきほどの図は混雑率上位路線と下落した路線を中心に示したが、路線を細かく見ても同様の傾向が表れることが分かる。


ただ異なる部分もある。例えば、北部のJR線は埼京線、京浜東北線、武蔵野線がトップ10にランクインしているのに対し、高崎線と宇都宮線は輸送量の減少幅が大きく、順位も下がっている。これは北部でも相対的に混雑が悪化しているのは大宮以南に限られることを示している。
北東部は混雑率1位の日暮里・舎人ライナー、2位の日比谷線、上位の千代田線、つくばエクスプレスが並んでいる。一方、常磐線は快速、各駅停車とも輸送量は2019年度比で3割近く減少しており、常磐線と相互直通運転を行う千代田線も混雑率が大幅に減少した。足立区、埼玉県南西部を経由する日暮里・舎人ライナー、日比谷線(東武伊勢崎線)、つくばエクスプレスとは対称的に、常磐線方面は利用減が顕著だ。