
都道府県庁職員を志望する学生らが減っている中で、知事や県議会議員などからの行政への不当な介入・圧力は、予算配分の公平性を損なうだけでなく、県庁などからの人材の流出につながるリスクがある。特集『公務員の危機』の#28では、ダイヤモンド編集部が独自のアンケートの結果に基づいて作成した都道府県別の「政策ゆがめられ度ランキング」を公開し、自治体の問題点やリスクを指摘する。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
政治家の我田引水は
地方の衰退を生みかねない
「県議会のドン」と呼ばれる有力政治家が、県政に大きな影響力を持つケースは枚挙にいとまがない。
そういった有力政治家が、予算の配分を差配することで、円滑に県政が進むこともあるだろう。だが、一歩間違えば、一部の政治家への権力の集中は、行政をゆがめることになりかねない。
都道府県庁職員として働く地方公務員の意識も変わってきた。コンプライアンスが重視される中で、公務員にグレーな仕事を強いれば、優秀な人材は民間企業に流れる。公務員の人材確保の観点からも、昔のように“清濁併せのんで”仕事をすることを公務員に期待することは困難になっている。
そこで、ダイヤモンド編集部は、独自に実施した公務員・日銀アンケート(下図参照)で、「政治家に政策(立案、事業採択など)がゆがめられるケースはあるか」を聞き、都道府県別の「政策ゆがめられ度ランキング」を作成した。
次ページでは、都道府県政策ゆがめられ度ランキングを大公開するとともに、上位に入ってしまった都道府県の要因を徹底分析する。