サウナは誰にとっても心地よい空間であるべきだ、という考えが根付いています。

生後10カ月で初めて入ったサウナ生後10カ月で初めて入ったサウナ。(同書より転載)

 また、サウナの後に水風呂に入るという文化は元々なかったので、サウナと冷たい水がセットという考え方はなく、特に自宅サウナに1人で入る場合は、サウナとシャワーだけが一般的です。

 ちなみに、フィンランド人の家にはサウナとシャワーはついていますが、日本の住宅にあるような浴槽はよっぽど経済的に豊かな家でないとありません。ただ、バルコニーがついている家が多いため、サウナの後はバルコニーでドリンク片手に外気浴を楽しむ人も多いです。そして、もしサウナの近くに湖や海があればワンランク上のサウナ体験になることに多くのフィンランド人が同意すると思います。

フィンランドのサウナは
家の中心であり「心」

 家の建物が「体」なら、サウナは家の「心」のようなもので、自分で家を建てる時にサウナを先に建てることも珍しくありません。サウナは、体が洗えるだけではなく、ストーブの上でソーセージを焼いたり、常温の状態にしてキノコを干したり、パンを発酵させたりと、ちょっとした調理が可能な場所です。

 冬は暖房代わりにもなって、そして着替え室があれば寝ることもできますので、時間をかけて少しずつ家を建てる時に先にサウナを造ると無敵です。

ロウリュの練習をしている姪っ子(当時2歳)ロウリュの練習をしている姪っ子(当時2歳)。親とサウナに入るのが好きで、「どんな入り方が好き?」と聞くと自分のスタイルがわかっていて、ちゃんと答えてくれます。(同書より転載)