良好な人間関係を築くには、会話をする機会を増やすことが一番の近道です。その際、部下から話しかけられるのを待つのではなく、リーダーから歩み寄り語り掛けることが大切です。

店長として優秀な人間が
企画部に抜擢されるも結果は散々

 仕事を誰に任せるのかは慎重に決めなければなりません。任せることでモチベーションが上がり、今まで以上に活躍する部下もいれば、仕事を任せられたことに重圧を感じ、パフォーマンスが落ちてしまうケースもあります。

 私がアパレル専門店チェーンに勤務していたとき、本部の商品企画部に配属されたことがありました。店舗での販売には自信がありましたが、レディースアパレルの商品企画となると、経験したこともなければ、知識もないので、雲をつかむ感じでした。

 そのときに任せられたのが、主力商品のジャケットやコートの企画でした。単価が高い商品がゆえ、ブランドの屋台骨を支える重要な部門です。当時の同僚数名と共に、分からないなりに手探りで企画を考え出し、ひとまず商品化することができました。

 店頭に並んだときは、達成感もあり嬉しかったのですが、結果はどうだったのかというと、全く売れず、会社に大きな損失を与えてしまいました。その後、自信喪失し、かなり落ち込んでしまったという記憶があります。

 今思えば、アパレル専門店の社員とはいえ、服作りに関する基礎的な教育を受けてきたわけではなく、店長として成績が良かったというだけの社員に、超重要な業務を任せてしまうのは、少々無茶ぶりであったのではないかと思います。

 その1年後に、商品企画から営業部に転属となったのですが、そこからは水を得た魚のごとく日々の業務に勤しむことができ、モチベーション高く仕事に取り組めるようになりました。

仕事を任せる前に
適材適所か見極める

 企業の現場では、アルバイトとして採用したスタッフの数カ月の勤務状態を見て、真面目にやっているし、やる気もあるようだし、将来有望な人材になるだろうと判断し、正社員に昇格させるというケースは多くあります。その数カ月後に、責任の伴うポストに抜擢することも珍しくありません。