アサガオの種の中に、これからアサガオとして育っていくためのすべて(双葉、本葉、ツル、つぼみ、花、種)が備わっている。それと同じように、あなたの中にも、すでに「すばらしいあなた」は備わっている。それを育てていけばいいのだ。

欲望に執着していては
いつまでも幸せを掴めない

 人の欲望には限界がない。

 お金がないときは、「足りない」と嘆き、手に入れると、「失うのでは」と不安になる。

「もっと、もっと」とほしがる気持ちは一生満たされることはなく、死を前にしても「死にたくない」と生きることに執着して、満たされない想いを抱えながら死んでいくのだ。僕は、そんな死に方はイヤだ。

 僕たちは、より良い未来を夢見て、「もっと、もっと」とほしがり続けてきた。そして、それを手にすることこそが幸せだと執着してきた。でも、それは本当の豊かさと言えるのだろうか?

 今の現実とは遠い理想を「いつかは…」と夢を見て、その理想と現実の差を埋めていくことが、人生を豊かにしていくことではない。

 きっと、プールつきの豪邸を夢見ながら暮らす6畳1間の生活は惨めなものだろう。欲望に限りはないのだから、例え、豪邸の夢が叶ったとしても、それはすぐに不満でいっぱいの現実になり、また次の夢を見ることになる。

 そんな生き方をしていて、いつ、人生の豊かさを得ることができるのだろう?

 人生は「今」の積み重ねだ。まずは、今の自分を豊かにすることだ。

「もっと、もっと」と「足りないもの」を探し続け、追い求めることをしなくても、水と光があれば植物は自然に育つように、「今ここにあるもの」「周りから与えられているもの」にしっかり向き合い、丁寧に育てていくことで人生は開けていく。それこそが、本当の豊かさにつながるのではないだろうか。