こだわりを捨てるほど
自由に生きる力がつく
「老いること」は苦しみの1つだ(四苦八苦)。
だけど、実際に苦しみを生み出すのは「老いること」そのものではなく、「老いたくない」と若さに執着する気持ちにある。
年齢を重ねることを熟成と捉え、味わい深くなるものと感じる人にとっては、「老いる」は問題ではないのだ。

執着とは、「これでなければならない」と物事に強くこだわることを指す。
例えば、「私は高級フレンチしか食べない」と決めている人は、毎日の食事に大きな制約を抱えている。こだわりが強くなるほど選択肢が狭まり、生きづらくなってしまう。
一方で、こだわりが少ない人は、状況に柔軟に対応でき、自由に生きやすい。
人生では、自分の力では変えられないことが多い。いや、多いどころか、ほとんどのことは思い通りにならないのが現実だ。僕だって、さらさらの金髪を持つイケメンとして生まれたかったが、そうではなかった。現実は、望んだ通りにはいかない。
そんな不都合な現実に対して、「まあ、いいか」と受け入れていくしかない。それが「強さ」であり、それを実践できる人こそ「豊かな人」なのだと思う。
これは、自分の好き嫌いや感情をなくそうと言っているのではない。「AもBもCもそれぞれ良さがある。どれもいいと思うけれど、今はAが好きだな」と、柔軟に受け取ればいいのだ。
例えば、「やりたいこと」や「なりたい自分」を見つけるのもいいかもしれない。
しかし、「見つけなければならない」となると、それは苦しみになっていく。それらがなくても、豊かに生きていけるぞ。