ブリヂストン リストラ後の跳躍#3Photo:Matthias Kulka/gettyimages

ブリヂストンの社名は、創業者の石橋正二郎の名字を英語表記にしたものだ。現在創業家とブリヂストンは、どんな関係なのか。そして、石橋秀一CEO体制には、創業家を超える力を持つ「陰の権力者」が存在する。特集『ブリヂストン リストラ後の跳躍』の#3では、“異形のガバナンス”を大解剖する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

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役職者を番号で呼ぶ独特の習慣
3番石橋CEO、1番は永久欠番のあの人

「3番は、なんと言っている?」――。

 ブリヂストン社内には、独自の習慣がある。役職者を番号で呼ぶのだ。

 部署ごとに番号が振られるとともに、課長以上には部署番号に応じた「役職番号」もあてがわれる。課長・部長・本部長は「1531」など4桁、執行役員は「153」など3桁、常務執行役員は「15」など2桁、グローバルCEO(最高経営責任者)やグローバルCOO(最高執行責任者)は「3」などの1桁である。

 現在のブリヂストンで「3番」とは、石橋秀一CEOを指す。冒頭の文言を言い換えれば、「石橋CEOは、なんと言っている?」となる。

 石橋CEOが3番であれば、2番と1番が気になるところだ。「2番」は取締役会長を指し、現在のブリヂストンには存在しない。

 では、「1番」とは誰か。それは、創業者の石橋正二郎で、永久欠番となっている。

 ちなみに、石橋CEOは、創業家と同姓かつ創業の地である福岡県久留米市出身だが、創業家出身ではない。

 実は、石橋CEO体制には、創業家を超える力を持つ「陰の権力者」が存在する。一体誰か。次ページでは、創業家とブリヂストンの現在の関係性を明らかにするとともに、同社の“異形のガバナンス”を大解剖する。