回答の回収方法は、調査員の直接回収・郵送・インターネットに加えて、上記「聞き取り調査」の4通りである。2005年は調査員の直接回収が95.6%とほぼ全てを占めていたが、2010年からインターネット(この年は東京都のみ)と郵送の方式が加わって、調査員の直接回収は2020年で3.9%にまで少なくなった。

 2020年はちょうどコロナの時期だから非対面が推奨されていたとはいえ、回収方法が大幅に変わってきていることがうかがえる。

郵送でもインターネット回答でも
届く方法は一つ

 郵送もインターネットも、調査員が訪問して書類を届ける・ポストに投函するところが最初の始まりである。つまり、とても人力であり、調査員は各戸にピンポンを押して回らねばならない。 

 現代の不穏(不審なセールスに加えて闇バイトの訪問など)のあおりを受けて調査員も大変で、悪党の一味と思われて敵意むき出しの応対を受けることもあるそうである。

 ちなみに、回答への協力を国が呼びかける国勢調査だが、実は「嘘なくちゃんと答えること」という趣旨の法的義務が統計法第61条に定められている。これは違反すると罰金刑で、つまりは前科がつく罪である。

 とはいえ統計法が過去に適用されたのは人口の水増し申告や、田んぼを実際より小さめに申告したケースなどで、国勢調査の未回答が理由で統計法違反が適用されたケースはない。「一応、罪」として定められているが、これはどちらかというと回答率を上げるための建前的な法律といえよう。

 国勢調査に便乗する詐欺とはどのようなものか。これは調査員を語る人物が来訪したり、メールで本物そっくりの偽サイトに誘導させるパターンがある。直接金品を要求してきたり、狡猾に個人情報を知ろうとしてくるもの、携帯電話の番号を入力したら別サービスの認証に使われたといったケースも聞かれる。

 気をつけねばならない方向がたくさんあってまいってしまうのだが、便乗詐欺を見分ける基本的なパターンをまず押さえておけばだいぶ安心感が増す。以下は詐欺である。