そこで、私が素材に選んだのは、『アメリカの子供はどう英語を覚えるか』(シグリッド・H・塩谷著、はまの出版刊)という本です。ネイティブの子どもの言葉の獲得のプロセスを、これほど生き生きと描き出した本は他にはないからです。私の大好きな本のひとつです。

 では、この本に収められている、娘のジーナちゃんの言葉を手がかりにして、子どもが言葉を獲得していく10のステップの一部を観察していきたいと思います。

自分の意思・欲求を相手に伝える

 Step1は「言葉を発する」段階です。その次に子どもの「公園に行きたーい」「ジュース欲しい」という欲求表現の延長上にあるのが、「自分の意思・欲求を相手に伝える」という、Step2の段階です。

英語がぐんぐんうまくなる!ネイティブの子どもがやっている「上達の10ステップ」子どもが言葉を獲得していく10のステップの一部を観察(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 ここでは、代表的な、I'll ~ , I'd like (to) ~ , I want(you) to ~ , I hope ~を取り上げることにしました。
このステップで扱う表現の代表例をざっと見ておくことにしましょう。

・I'll give it a try. (やってみます)
・I'd like some more beer.(もっとビールが飲みたいのですが)
・I'd like to extend my stay.(滞在を延長したいのですが)
・I want to rest a while.(ひと休みしたいのですが)
・I hope you'll like this.(お気に召すといいのですが)