
ヘブンを演じているトミー・バストウとは
たどたどしいが、日本語を話すヘブンにみんなどよめく。
「カミガミノクニ マツエ キテ ウレシイ ケーン」
ケーンと吠えているのは彼なりに出雲地域の方言を取り入れているようだ。郷に入っては郷に従え。
でも松江の人々は、「さすがは世界を知る男」と舞い上がり、「ヘブン、ヘブン」とヘブンコールが湧き上がった。
「集まった100万の群衆が大喝采」と梶谷(岩崎う大)がまた大げさにメモる。ただし、「やがてヘブン先生に怒濤(どとう)のごとく押し寄せ」というのは、うそではない。
トキもそのなかにまじって、ヘブンと握手することができた。
「がんばってごしなさい」と触れた彼の手に何か違和感を覚えるトキ。
「気のせいだと思う」とその疑問を打ち消すが……。
と、ここまでが長いアバンで、オープニング映像まで5分弱。
ハンバート ハンバートが「気のせいか そうじゃない」と歌う。トキが感じたことはきっと気のせいじゃない。トキは何を感じたのかはまだ明かされない。
ヘブンとトキの2ショットがやっとハマった。ここではじめて、「毎朝しあわせ2ショットしていたトキは、このヘブンさんという人と結ばれるのかー」と疑問が晴れた人もいるかもしれない。
第1回の冒頭でふたりが夫婦として出ていること、様々な番組紹介で、「小泉八雲の妻・小泉セツをモデルにした人物を主人公に、夫婦の物語である」と紹介されているので、まさかいないとは思う。いないか。でもそんな人がいたら私はとても愛おしく思う。
ヘブンを演じているトミー・バストウは、話題の配信時代劇『SHOGUN 将軍』でマルティン・アルヴィト司祭役を演じている。ヘブンとは見た目が全然違って、演技の幅の広さを感じるが、『ばけばけ』の相手役オーディションにおいて1767人の応募者の中から選ばれた。
1991年、イギリス生まれで、2000年代前半からバンドのボーカルや俳優として活躍。2018年よりアメリカにも活動を広げ、日本語も10年間ほど学んでいて堪能。番組の会見のときなども日本語であいさつし、記者たちの日本語の質問も理解している。
主な出演作に、ソニー・ピクチャーズ映画、ケリー・マディソン監督による『ネバー・バックダウン/自由への反乱』(2021年)、TVドラマ『Man in an Orange Shirt』(2017年/BBC)、ハイ・コンセプトSFシリーズ『The Crossing/未来からの漂流者』(2018年/ABC)、日独合作の『ザ・ウィンドウ』(2022年/ZDF・フジテレビ)などがある。







