総予測2026Photo:CNN

巨額の投資マネーを飲み込む“AI(人工知能)ブーム”はいつまで続くのか――。2026年もAIへの巨額投資は続き、米国経済を牽引する可能性は高い。株式市場は、まさに「バブル」の様相を呈しているが、その持続性はいかほどか?特集『総予測2026』の本稿では、米CNNテレビの著名司会者で国際問題評論家のファリード・ザカリア氏が、AIバブルの“賞味期限”と米AI産業の中長期的なリスクを指摘する。(聞き手/在米ジャーナリスト 岩田太郎)

2026年もAIブーム継続
巨額の投資マネーが流入

――人工知能(AI)は、今や経済のけん引役になっています。この流れは続くのでしょうか。

 今、米国経済の基調は、循環的には明らかに弱含んでいますが、そうした弱さは、AIに関連する津波のような投資でカバーされています。

 投資が継続するかどうかが焦点ですが、世界中の有力な投資家が、AIブームには実体があると見ているからこそ、巨額のマネーが流入している。

 2026年もAI投資が続く可能性は非常に高く、故に26年の米経済も強くなるとみています。

――AIバブルが起きていると。

 確かにバブルといえます。株価を見ると、企業の売上高や収益に見合わないレベルの上昇が見られます。しかし、必ずしもそれが半年や1年で崩壊するわけではない。

 過去を顧みると、1990年代半ばのITバブルについて、米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン議長(当時)が「根拠なき熱狂」と呼んだのは96年でしたが、バブルが実際に崩壊したのは4年後の2000年です。

AIバブルは26年も膨らみ続けると見られるが、その先はいつまで続くのか?死角があるとすれば何か?次ページでは、トランプ政権が進める移民政策によって、米国のAI産業が中長期的に大きな代償を払うリスクを解説する。