「ひとりで仕事を進めるのが好き」
――チームメンバーがこのような傾向にあり、仕事仲間との一体感を心地よく感じることがなかなかできないことがある。そして、チームの連携が必要とされる職場でモチベーションを維持できないという問題は、リーダーにとって悩みの種。ほとんどの仕事は一人では完結しないため、仲間と良好な関係を築き一体感をもってスムーズに進める工夫がどうしても必要となる。
そこで参考にしたいのが、世界中で行われた経営学、心理学、経済学等の研究成果をもとに、グロービス経営大学院の教授陣が協力して書いたチーム・ウェルビーイングの教科書。「チームリーダーにできるちょっとしたのコツ」をまとめた一冊『職場を上手にモチベートする科学的方法――無理なくやる気を引き出せる26のスキル』
今回は、同書から特別に抜粋・再編集し、人間関係を劇的に良好にし、エンゲージメントや仕事への意欲を高める強力なパワーになるコストのかからない取り組みを、科学的な知見に基づき解説する。

職場の中の孤独Photo: Adobe Stock

一体感を心地よく感じられないチームメンバー

 企画部のチームリーダーの永田さんは、メンバーの木村さんからもちかけられた相談に対して、どうアドバイスすべきか悩んでいました。

「私は1人で仕事を進めるのが好きです。誰かと一緒に仕事をすることが苦手というか、仕事仲間との一体感を心地よく感じることがなかなかできません。どうしたらよいでしょうか?」

 個人の特性として、1人で仕事を進めることが好きな人もいれば、仲間と一緒に仕事を進めることが好きな人もいるでしょう。しかし、いずれにせよ、仕事は1人ではできないので、仲間と何かしら連携・協業することが必要です。

 チームメンバーの誰もが仲間と良好な関係をもって、「一体感を感じながら」スムーズに仕事を進めていけるようにするには、どのような工夫をすればよいのでしょうか