そんな安倍神像神社に今年7月、私はお参りに行ってきた。他の神社ではなかなかない柏手を17回打つ「二礼一七拍手一拝」や、安倍晋三坐像を間近で拝見するなど、遠くまできた甲斐のある貴重な体験だった。
その際、佐藤宮司に「安倍晋三元総理銅像建立プロジェクト」の進捗状況を伺ったところ、こんな答えが返ってきた。
「安倍昭恵さんからも、銅像ができたら伺いますねと言っていただき、頑張っているんですが、クラファンの目標額がまだ達成できていないんです」
失礼だが「ああ、やっぱりか」というのが正直な感想だった。
高市首相とは大違い!
旧安倍派の打算的態度
今、裁判中の山上徹也被告が安倍元首相を殺害した際、ワイドショーコメンテーターの多くは「やったことは許されないが、同情できる部分もある」と擁護した。そんな暴力テロに優しいムードもあって、ネットやSNSでは「政治と宗教の問題を知らしめた功績はある」などとヒーロー視する人々もあらわれた。
当時、筆者は本連載で安倍元首相に指摘される「旧統一教会とズブズブ」というのは、政治家がさまざまな宗教団体と日常的に行っている選挙協力であって「闇」というほどの話ではないこと、癒着や教団優遇のファクトがないことを述べた。そして山上被告のような「テロ」を肯定すると、模倣犯が増えていくことなどに警鐘を鳴らした。
・宗教団体を恨んで安倍氏狙う不条理…犯人は「ヘイトクライム」思考の典型だ(2022年7月14日)
・山上容疑者の銃弾で変わった日本は「とっくにテロに屈している」という現実(2022年9月15日)
・山上被告を「同情できるテロ犯」扱いしたマスコミの罪、岸田首相襲撃事件で言い逃れ不能(2023年4月20日)
もちろん、こんな主張が世間に受け入れられるわけもなく、社会では安倍元首相は「なんかよくわからないけれど旧統一教会と一緒に悪いことをした政治家」というイメージがすっかり定着している。そんな“グレーな政治家”の銅像建立に資金提供しようという物好きは少ない。
ただ、世間はそうかもしれないが、「仲間」は違うはずだ。







