教育の現場では減りつつある「くん付け」
根強く残っている理由は?
その後中学くらいになると、これは主に男子、それも特に不良っぽい界隈の文化だが、目上の人に尊敬の意を込めて呼ぶ時に「くん」が用いられて、これはその界隈では大人になっても続けられる。
その「くん付け」だが、現在小・中学校では性別や平等への配慮から減りつつある。先生から児童への呼び方を「さん付け」で統一している娘の学校では、じゃあ「くん付け」は消滅したのかというと決してそんなこともなく、児童が男子児童を呼びかける時に度々用いられるらしい。
日本社会における「男子=くん」の呼び方は根強く、児童が教室(先生のいる所)以外でも知識を蓄え社会勉強を日々重ねていることを感じさせられた……というといかにもしゃちこばっているが、要はあの子たちはYouTubeやテレビ、ゲーム、マンガなんかを見て日本語のニュアンスを学んでいるところもあって、そこで男児がくん付けで呼ばれるのを見る。
さらに小学校以前に「男の子は『くん』」と学んできたのもあるから、実際の教室でも「男子=くん」が再現されるわけである。
少し話が逸れたが、「ちゃん付け」や「くん付け」などの敬称は、私が子供の頃からのことを思えばまさかその意味合いが揺らぐなど想像もできなかったが、近年の潮流を見ているとわりとあっけなく価値観が刷新されそうな気配はある。
その変化についていけず、感覚がちょっと時代遅れになるくらいなら罪はないからまだいいが、下手をすると人に嫌な思いをさせたり、自分がセクハラのかどで刺されるおそれもある。
さん付け、ちゃん付け、くん付け等々の敬称、それぞれの持つニュアンスを改めて意識するだけでも、ハラスメントの地雷を踏む可能性を下げることができるはずである。







