同じく747-8Fのウィンドウ(小2万円)と、機内食カート(6万円)とゴミ収納カート(5万円)を購入していたのは世戸勇樹さん(写真2)。「ロンドンバスホテルというのを経営していて、趣味のクルマと飛行機のコレクションを飾ることで、宿泊客にも面白がってもらいたい」とのことだった。
実は、機内食カートはANA公式ECサイトで販売している。新品が22万円で売られていることを考えると、6万円という価格は中古でも「お値打ち」と言えそうだ。何より、実際に使っていたという付加価値はプライスレスだろう。
機内食カートを吟味する世戸勇樹さん(左) Photo by K.K.
ANA公式ECサイトより 拡大画像表示
同じ747-8Fから出たパーツでも、ピトー管という対気速度を測る部品を3万円で購入していたのは、村松隆一さん(写真3)。他に、ボーイングのセーフティジャケットも2万1000円で購入。建築関係の会社を営み、「オフィスには空港灯火なども置いている」という。共通の趣味の友人が訪ねて来て、「コレクションについて語り合うのが楽しい」とのこと。そういえば筆者も、子ども時代に秘密基地で宝物を見せ合ったなあと思い出した。
ピトー管とボーイングのジャケットを購入した村松隆一さん Photo by K.K.
ボーイング747‐8Fのピトー管 Photo by K.K.
(参考写真)ボーイング747のコックピット・ウィンドウ(上の青丸)、ピトー管(下の青丸) Photo by K.K.
会場には他にも、今回の目玉商品である「機長席の航空計器パネル35万円」(写真6)を筆頭に、エンジン前方のカウリング(小2万円、大5万円)や、高度計や速度計(各3万5000円)、タイヤのホイールキャップ(3万5000円)、機内食のカトラリー・トレイセット(1000円)、さらには機体識別番号が書いてある胴体外板を切り出した“特製プレート”(15万円)などが販売されていた。
ここで、「えーっと、古くなった飛行機から出た中古部品がそんなに高いの……?」などと思ってはいけない。特にプレートは、その機体のフライトヒストリーを購入する行為であり、マニアにとっては熱狂の頂点と言える。筆者もその端くれだが、「N754SA」と書かれたその胴体の一部は、ヒストリーをたどるとエールフランス航空で登録され、最後はサザンエアというアメリカの貨物専用会社が所有したボーイング747-228F/SCDだと分かり感動を覚えた。
今回の目玉商品、機長席の航空計器パネルは35万円 Photo by K.K.
ジャンク市会場はマニアの熱気に包まれていた。左手の黄色く積んであるものはボーイング社のジャケット Photo by K.K.
航空ジャンク市チラシ 拡大画像表示







