「うーむ」と思わずうなった機内食
前菜、スープ、メイン料理のお味は?

 さて、SWISSのサービスの真価が発揮されていると実感したのは、機内食とホスピタリティだった。離陸後、コースランチが始まった。前菜の「シーフードカクテル」は、わさびマヨネーズのピリッとした刺激が、機内で鈍りがちな食欲を巧みに刺激する。続く「西洋ネギとポテトの温かいスープ」は、とろりと濃厚で気持ちを落ち着かせる優しい味わい。このコントラストに「うーむ、旨い」と思わずうなってしまった。

 その時、デビーCAが寄ってきて「メインはグリルがおすすめですよ」とささやいた。飛行機に乗り慣れてくると、○○がおすすめという場合は、「○○以外の数が少ないから、そう言うんだろう」などとうがった見方をしていまいがちだ。その一方で、個別に言われると妙に気になってしまう。

 迷ったものの結局「牛テンダーロイングリルのマッシュルームソース仕立て」を選択。機内食の懸念点といえば食材のパサつきや硬さだが、このグリルは肉厚かつ柔らかく仕上がっており、期待以上の満足感だった。

スイス産チーズをワインで楽しみ
文化的な深みのあるチョコレートを堪能

 メインの後は、スイス産のチーズセレクションでワインを楽しみ、デザートには「ヘーゼルナッツとチョコレートのケーキ」「カラメルのムース」が出た。そしてシメは、食後のコーヒーと「アッシュバッハ ショコラティエ」の高級スイスチョコレートである。CAが黒い箱を開いて「お好きなだけどうぞ」と提供するこのサービスは、スイス国民にとってチョコレートがいかに重要かを知る、文化的なおもてなしだ。濃厚で上質な甘さが、フライト全体の印象を決定づけたといっても過言ではない。

ビジネスクラスのシーフードカクテル前菜の「シーフードカクテル」はわさびマヨネーズが良いアクセントに Photo by Koji Kitajima
メインの肉厚なテンダーロインステーキメインの肉厚なテンダーロイングリル Photo by Koji Kitajima
客室乗務員が箱入りのアッシュバッハ ショコラティエのチョコレートを配ってくれるCAが箱入りの「アッシュバッハ ショコラティエ」のチョコレートをサーブしてくれた Photo by Koji Kitajima
チョコレートにはカプチーノと勧められた取り合わせで食事の余韻を確かめる「チョコレートにはカプチーノ」と勧められ、食事の余韻を確かめる Photo by Koji Kitajima