機内のラバトリーに置かれたフレグランス「アルパイン バレー」を配合したアメニティも、スイスを五感で楽しむ演出要素だった。カラマツやハーブがブレンドされた香りはとてもさわやかで、機内の閉塞感を忘れさせてくれた。
手洗いの洗面台は広く、アメニティが充実しウェットティッシュが置かれる Photo by Koji Kitajima
スイスのマルチツールやウォッチのブランド「ビクトリノックス」の黒い缶に入ったアメニティキット Photo by Koji Kitajima
SWISSビジネスクラスは「買い」か?
お値段と総合評価は…
さて、読者が最も知りたいのは、この体験が価格に見合うかどうかという点だろう。そこで、東京~チューリッヒ間のビジネスクラス航空券を価格調査してみた(2026年1月発着を想定した目安、11月中旬調査)。
◆SWISS公式サイトだと往復で約58万円~。
◆航空券比較サイト「スカイスキャナー」で最安値を調べると、ターキッシュエアラインズが往復で約49万円~。
◆同サイトで往復が異なるエアラインで最安値は、中国南方航空とLOTポーランド航空の組み合わせで片道23万円~(つまり往復46万円~)の日もあった(かなり限定的だが)。
大まかにいうと、SWISSの価格帯は、中東経由となるエミレーツ航空あるいは香港経由となるキャセイパシフィック航空の欧州路線ビジネスクラスとほぼ同等、またはやや割安な水準である。
総じてSWISSの最大のバリューは、日本~チューリッヒ唯一の直行便という利便性と、普段は体験できないスイスならではのサービスにあると思う。ビジネスクラスは、パーソナルなホスピタリティを求める人にとっては、その価格に見合う、いや、それ以上の価値があると感じた。
一方で、最新鋭機によるプライベート空間と、アジア系キャリアのような手厚い(過剰だと感じる人もいる)サービスを期待するならば、評価は分かれる可能性が高い。
長年の搭乗経験を持つ筆者から見ても、SWISSのサービスはその文化的な深みで、独自の魅力があると結論付けたい。
到着前の軽食、「パッパルデッレパスタのトマトハーブソース仕立てとフルーツ」も美味だった Photo by Koji Kitajima







