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日本円の弱さが目立つが
同じように弱いNZドル
2025年の外国為替市場は、年前半に米ドル安が強まり、米ドルは主要通貨に対して大きく下落した。米ドルの強さを示すドルインデックスは、2025年初めの108.5から下落し、7月1日には96.4と、わずか半年で11.2%のドル安となった。夏以降、米ドルは下落の勢いが収まったが安値圏での推移が続いた。
11月に入ると米ドル安の動きが一服し、ドルインデックスは100台を一時回復した。米ドルは依然としてユーロやスイスフラン、スウェーデンクローナといった欧州通貨に対して大きく下落したままだが、いくつかの通貨に対しては年初からの下落をほぼ解消しつつある。
その筆頭格は日本円だ。2025年のドル円は157.2円で始まると、1月10日には159円手前までドル高円安となった。その後、ドル円は米ドル安の流れに乗って4月に140円割れとなったが、10月の(いわゆる)高市トレードで米ドル高円安が進行し、原稿執筆時点(11月20日)では157円前半と年初の水準に達した。
日本円は米ドル安が続く中でも弱いことが改めて示された格好だが、じつは日本円と並んで弱い通貨がある。ニュージーランド(NZ)ドルだ。
1NZドル=0.559ドル付近で2025年をスタートしたNZドルは、トランプ関税が公表された4月9日に0.549ドルに下げたが、その後は米ドル全面安の流れもあって上昇し、7月1日には0.612ドルと、年初来9.4%の上昇となった。
しかし、7月以降のNZドルは下落傾向が続き、原稿執筆時点では0.561付近と日本円と同様に年初の水準近くまで下落した。
日本円に対するNZドル(NZドル円)は年初に88.1円付近で始まり、4月のトランプ関税発表後の円高進行時に79.8円付近まで下落した。しかし7月には88円台まで上昇し、原稿執筆時点でも88.1円付近と、やはり年初の水準となっている。







