カタカナ語を使いがちな人は
読書で語彙力を鍛えるべし

 筆者がこの言葉に出合ったのが書籍であったように、コンサルが語彙力を鍛えるには、やはり読書が重要だと考える。コンサルは自身を無形商材として売る商売だからこそ、学びの“基本のキ”である読書を通じて、言葉遣いという目に見えない能力を磨くべきではないだろうか。

 特に歴史関連の書籍は、語彙力だけでなく豊かな教養を身に着けられる。筆者は「著名経営者の好きな本」について、さまざまなメディアの記事を調べたことがある。そこでは『ローマ人の物語』(塩野七生)や『坂の上の雲』(司馬遼太郎)といった歴史小説がよく紹介されていた。

 他にも、高市早苗首相が愛読書に挙げている『「空気」の研究』(山本七平)は1977年に刊行された古い本だが、日本社会ならではの意思決定を左右する“空気”について解説した名著である。新しい本では『僕たちは言葉について何も知らない 孤独、誤解、もどかしさの言語学』(小野純一)もお勧めしたい。

 当然のことながら、こうした書籍ではカタカナ語は多用されておらず、一般読者に伝わる分かりやすい表現で書かれている。

 もちろん、コンサル以外の業種・業界の方にも読書は有用である。

「なかなか企画が通らない」「マーケティングで商品が売れない」といった悩みを抱えている方は、読書によってさまざまな言い回しを学びつつ、資料やキャッチコピーなどの言葉をゼロから見つめ直すことが解決の近道になるかもしれない。全てのビジネスは言葉で成り立っている。