「時間の捉え方は人それぞれ。必ず道は開ける」 。そう語るAさんの言葉は、今、同じような暗闇にいる誰かにとっての灯台となるはずです。

ITエンジニアの孤独と挑戦「チームで働きたい」という本音を持つBさん

　Bさんは新卒でIT企業のシステムエンジニア（SE）としてキャリアをスタートさせました。 学生時代に描いていたのは、ドラマや映画で見るような、プロジェクトチームが一丸となって一つのシステムを作り上げる姿。仲間と議論し、助け合いながらゴールを目指す──そんな「チームワーク」を重視した働き方に憧れていました。

　しかし、配属された現場の現実は、Bさんの理想とはかけ離れたものでした。 パソコンに向かい、黙々と作業を続ける日々。「チームで働いている」という感覚は薄く、個人のタスクを消化することが主になる毎日に、Bさんの心は次第に疲弊していきました。

「これがエンジニアの仕事だと言われればそうなのかもしれない。でも、自分はもっと人と関わりながら仕事がしたい」

　入社1年目。まだ何も成し遂げていない時期での転職検討に、Bさんもまた深く悩みました。「次に採用してくれる企業があるだろうか」との不安もありました。また、仮に受け入れ先が見つかったとしても、「自分が望む職場に出会えるのか」という懸念もありました。 しかし、このまま孤独に働き続ける未来もまた、想像することができませんでした。

「先輩たちの事例」が勇気に。意外だった企業からの反応

「どんなタイミングででも、転職して幸せになった人はたくさんいますよ」。 リクルートエージェントのキャリアアドバイザーのその一言が、Bさんのこわばった心を解きほぐしました。

　Bさんが最も恐れていたのは「1年目での退職はどう思われるのだろうか」という点でした。しかし、アドバイザーから紹介されたのは、自分と同じような境遇で悩み、そして希望の環境へ飛び立っていった数多くの「先輩たち」の事例でした。

　転職活動を始める前に、書類選考を通過するのが難しいと漠然と聞いていたため、自分も苦戦するだろうと覚悟していました。しかし、実際に活動を進めてみると、書類選考を通過して面接に進むことができ「新卒1年目の自分でもチャンスがあるんだ」と手応えを感じました。この経験がきっかけになり、転職活動に対してより前向きな気持ちで取り組むようになりました。

　Bさんは現在、Webエンジニアとして新しいスタートを切っています。 そこは以前の職場とは違い、周囲との連携が活発な環境です。Bさんは将来、技術を磨くだけでなく「新人に分かりやすく教える先輩」「みんなが楽しく働けるチームを作るマネジャー」になりたいと目を輝かせます。