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NTTは、NTTドコモの苦戦がグループの足を引っ張る構図が鮮明になっている。NTTの25年4~9月期の連結営業利益を支えたのは、完全子会社化したNTTデータグループのデータセンター資産の売却益だ。NTTは、3.3兆円を超える手元資金を基に、次なる巨大な成長投資に向けた準備を進めている。特集『金利上昇、トランプ関税、人手不足で明暗 半期決算「勝ち組&負け組」【2025秋】』の#3では、注目されるNTTの巨大M&A(企業の合併・買収)の行方を展望する。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
“ドコモ一人負け”はデータでくっきり
販促費と設備投資が利益圧迫の要因に
NTTグループの“稼ぎ頭”であるはずのNTTドコモの苦戦が鮮明だ。
NTTの2025年4~9月期の連結業績は、売上高が前年同期比2.8%増の6兆7727億円、営業利益が同2.7%増の9450億円、当期純利益が7.4%増の5957億円だった。
グループの業績を左右するドコモの営業利益は、同14.25%減の4747億円。“本業”の携帯電話事業で、契約数の減少が続いているだけでなく、販売促進費がかさんで減益要因になっている。
ドコモの不振をカバーするのはNTTデータグループ(G)だ。25年4~9月期の営業利益は同80.5%増の2690億円となった。NTTは9月30日付でデータGの完全子会社化を完了したが、そこから初の決算発表で「成長分野のデータGが不振のドコモを支える」という構図が鮮明になった。
グループの今後の経営を見通す上で、注目されるのがデータGの成長投資だ。同社の佐々木裕社長は巨大M&A(企業の合併・買収)に意欲を示している。
これに向けてNTTの9月末の現預金は3兆3180億円(6月末は2兆0251億円)に膨らんだ。潤沢な資金を手元に置き、巨額投資の備えは着々と進んでいる。
次ページでは、ドコモの携帯電話事業が、競合のKDDI、ソフトバンク、楽天グループに対して“一人負け”している実態を客観的なデータで詳細に明かす。そのうえで、潤沢な手元資金で実施されようとしている巨大M&Aの行方に迫る。







