
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1199人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3890社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名!上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#10では、食品業界の報酬ランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
外国人取締役と創業家一族が上位に
プロパー入社で最も高い報酬だったのは誰?
食品メーカー各社は原材料費の高騰に直面し、相次いで値上げに踏み切っている。
帝国データバンクが主要食品メーカー195社を対象に行った調査によると、2025年9月に値上げが行われる食料品は1422品。値上げ率の平均は約14%となり、値上げが行われる品目数は25年6月から4カ月連続で1000品目を上回った。
食品メーカーを悩ませるのは、原材料費の高騰だけではない。物流コストの増加ものしかかっている。各社は売り上げとのバランスを保ちながら、コスト増を吸収しようとしている。
そんな、食品業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
では、食品業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか?集計の結果、食品業界で「年収1億円以上」は45人いることが判明した。全業界の平均が38.7人となっているため、やや多い数字となった。
食品業界でトップとなったのは、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(HD)のカリン・ドラガン社長で、報酬額は7億0300万円だった。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンHDのほか、海外市場での利益が大きい会社の外国人経営幹部の名前が上位に並んだ。
さらに、食品業界の特徴として、創業100年を超える老舗企業が多いことが挙げられる。そのため、創業家一族の名前も目立った。
では、サントリー、JT、味の素、キリン、アサヒ、明治、江崎グリコ、キッコーマン、伊藤園といった企業の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。