Big Short:
ビッグショート

リーマンショックを予測した空売り投資家、「テスラ株は滑稽なほどに割高」

 米ウォール街で「ビッグショート(Big Short)」が再び動きだした。標的は米電気自動車(EV)大手テスラだ。「世紀の空売り」を意味するビッグショートは、2008年のリーマンショックを予測し、大儲(おおもう)けした投資家マイケル・バーリ氏に付けられた異名だ。同氏の見立てでは、テスラ株はとてつもなく割高であり、空売り(short selling)の対象になるべき銘柄だ。

 バーリ氏は11月末に自身のニュースレター「カサンドラ・アンチェインド」を配信し、テスラの株価が実態から懸け離れて高騰しているとの見解を示した(米ニュースサイト「ビジネスインサイダー」より引用)。

 Tesla’s market capitalization is ridiculously overvalued today and has been for a good long time.(テスラの株式時価総額はとんでもなく大きい。株価はかなり長期にわたり、滑稽なほどに割高だ。)

 割高感を調べる物差しの一つは、株価が1株利益の何倍かを示す株価収益率(PER)だ。高成長企業でなければ高PERは正当化できない。

 バーリ氏のニュースレターが出た時点で見ると、テスラの予想PERは200倍前後に達しており、米主要500社の平均(20倍台前半)を大幅に上回る。収益の大半をたたき出すEV事業が苦戦しているにもかかわらず、である。