996 work:
996勤務

米テック業界が中国をまねてブラック労働を正当化、パイオニアは日本?

 外国製品やサービスを模倣する「コピーキャット」と批判されてきた中国。ここにきてコピーキャットの対象になっている。

「996勤務(996 work)」――。中国テック業界の職場に根付いた競争至上主義(cutthroat culture)で、「午前9時から午後9時まで、週6日働く」という意味を持つ。それを米テック業界がコピーキャットしているのだ。

 米テック業界には「中国と同じようにやらなければ人工知能(AI)競争で負けてしまう」との危機感がある。その意味で996勤務と正反対のリモートワークは禁じ手となる。

 リモートワーク反対論者の一人が米グーグルの最高経営責任者(CEO)と会長を歴任したエリック・シュミット氏だ。米ポッドキャスト番組「オールイン」に登場し、「リモートワークを続けていては、昼夜仕事に没頭する中国人には勝てない」と断じている。

 If you’re going to be in tech and you’re going to win, you’re going to have to make some tradeoffs. Remember, we’re up against the Chinese; the Chinese work-life balance consists of 996, which is 9 a.m. to 9 p.m., six days a week.(テック業界に身を置き、競争に打ち勝ちたいならば、一定の犠牲を受け入れなければならない。競争相手の中国を見てみるといい。ワーク・ライフ・バランスは996勤務で成り立っている。)